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キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 マスター 【名前】フィム・ノアール 【容姿】白髪ロングのお姉さん 今日は休暇で来たらしい 【願い事】強いて言うなら、金が欲しい 【バッドエンド】略 【グッドエンド】略 【令呪】 0 / 0 【HP】 15 / 15 【筋力】E:1 【耐久】C:3 【敏捷】E:1 【魔力】C:3 【幸運】D:2 【スキル1】結界魔術:自分のサーヴァントの最大HPを15増やす。 【スキル2】援護射撃(物理):自分のサーヴァントの物理攻撃時、補正値3を与える。 【スキル3】援護射撃(魔術):自分のサーヴァントの魔術攻撃時、補正値3を与える。 【その他】混沌・中庸 泥 名前 フィム・ノアール 誕生日・年齢 7月7日・「女性の年齢をむやみに聞くものじゃないな」 身長・体重 168cm・「体重もまた然りだ」 血液型 B型 好きなもの 甘味・青春ドラマ 苦手なもの 『過去』 特技 スナイピング 起源 流雲 属性 混沌・中庸 魔術属性 空 魔術系統 黒魔術 魔術特性 呪 魔術回路 質:A/量:C/ 編成:普通 【設定】 白く長い髪が印象的な美人女性。 かつて、裏社会にて用心棒を生業としていた過去を持つ魔術使いであり、黒魔術と大小さまざまな銃火器を駆使した射撃戦法で戦う。 現在は裏社会から足を洗い、「黒井映子」という偽名にて、かつてともに仕事を行っていた「山村 累助」の下で家政婦として働いている。 裏社会とは勝手の違う生活に、未だに苦労しているらしいが、なんだかんだで楽しい日々を送っているらしい。 裏社会の頃のことを詮索されることを非常に嫌がり、この事を聞こうものならもれなく蜂の巣にされるので注意。 +・・・ マスター 【名前】フィム・ノアール 【容姿】白髪ロングのお姉さん 【願い事】「山村零音」の居場所を知る 【バッドエンド】略 【グッドエンド】略 【令呪】 3 / 3 【HP】 20 / 20 【筋力】E:1 【耐久】B:4 【敏捷】B:4 【魔力】A:5 【幸運】E:1 【スキル1】混血:英雄点5を得る。サーヴァントに対し、通常のダメージを与える。 【スキル2】魔術戦専用ライフル:魔術攻撃時、補正値5を得る。 【奥義】『紅光赤血の朱色魔弾』:魔術攻撃時、補正値10を得る。 【その他】混沌・中庸 混血 実は彼女こそ山村累助の妻であり、零音の母、佐那子&北雄の祖母にあたる人物「山村香夜」その人。 西洋に存在する、日本の「鬼」と同種の魔族の血を受け継ぐ、いわゆる「混血」であり、そのため彼女の一族は常人の数倍の寿命を持っている。実年齢は90歳後半だが、肉体年齢にはほぼ三十路と同等。(あれ、じゃあ精神年齢は?) 寿命をごまかすために、裏社会を転々としていた所もあり、現在、家政婦として山村家に住んでいるのも、怪しまれないようするための方便だったりする。 とある街の聖杯戦争に参加し優勝。聖杯の願いはともに戦ってくれたとある「子を想う母親」のために使用し、自身は息子である零音の居所を監督役より聞き出し、去っていった。 『紅光赤血の朱色魔弾』 自身の総血液の30%を体から抜き出し、圧縮凝固させて1発の弾丸へと形作ったもの。 専用の魔術ライフルで相手に打ち込むことで、物理的ダメージはもとより、対象の魔力と弾丸の魔力で凝固反応を起こさせ、無力化させることができる。 この魔弾は、彼女にとっての『切り札』であるらしく、裏稼業時代でも使用したのは稀だったとのこと。
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聖杯戦争用 【パーソナルデータ】 真名:ケルベロス クラス:ウォッチャー 【特記事項】 特になし 【属性】 中立・混沌・天 【外見】 漆黒の体毛に身を包んだ、3つの首を持つ巨躯の狼。 【戦闘コマンド】 近接攻撃:射程1 射撃攻撃:射程2 【ステータス】 耐久力:30 魔力量:110 筋力:A 耐久:C 敏捷:B 魔力:C+ 幸運:B 【クラススキル】 全クラス共通:サーヴァント以外から受けるダメージ-10 《万象俯瞰:A》 戦闘外においてそのエリアで行われた戦闘の概要をランクに応じて知ることが出来る。 《陣地蹂躙:C》 魔力30消費、このスキルのランク以下の結界魔術・陣地作成によって作成された結界・陣地を破壊する(結界魔術は術者の魔力ランクを参照)。 【サーヴァントスキル】 《神々の寵愛:A》 タイミング:常時発動 リキャスト:0 自身は【神性】持ちとして扱われる。 与えるダメージ+1d8、受けるダメージ-2。 混沌・悪属性を持つ対象から受けるダメージ-3。 混沌・悪属性に与えるダメージ+2。 《摂理の担い手:C》 タイミング:セットアップフェイズ リキャスト:6 魔力15消費、サーヴァントに対して与えるダメージ+1d6、受けるダメージ-2。 《異形の獣:A》 タイミング:セットアップフェイズ リキャスト:6 魔力30消費、3Rの間自身の攻撃回数+1、敏捷+1段階、デバフへの耐性+20%。 【宝具】 《毒咲く唾》( アコナイト ) ランク:B 分類:対人宝具 射程:全て タイミング:メインフェイズ ウォッチャーが口から流す涎。 大地に接触する事で毒霧を撒き散らすトリカブトを発生させる。 戦闘エリアに毒霧を撒き散らすトリカブトを無数に発生させる。 自身とそのマスター以外の魔力・幸運-2段階、与える魔術ダメージを-1d4-2、毎Rのエンドフェイズに1d3+1の現在耐久力を失う。 聖杯コロシアム 《万象俯瞰:A》 与えるダメージ+1d4、受けるダメージ-2。 範囲攻撃に対する回避・魔力抵抗・宝具回避+25%。 《陣地蹂躙:C》 タイミング:メインフェイズ リキャスト:5 魔力30消費、このスキルのランク以下の陣地作成によって作成された陣地を破壊する。 また、常時自身はこのランク以下の陣地・固有結界の影響を受けない。
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,ィ / ,// _、- , '/ /‐' ,、ン'/ , ./ レ ´ ー--...、.._ _iV _ _ _ =- r ' `ヽ三ニー- ニ -=ニ´ / /三 \\ヽ ミ、 _ =≧ー / / ンヘ\\ ヽ `ヽ ニ三三ェ- //i / // ,'i ヽ\\',、 ヽ <'´ !' / ; ' / ,' i i ヽ ヽ ミミ ヽ、 k-ニヽ、 / i l i i、 ',. ', ヽ ヽ ` ミヽ、 / ii l i L ' , i \、_ ヽ 、 ヾ、 / /i i l i i f j、 ; ',ヾ ,rt j、\ i、\ _,rーァ'/'´ i ハ l lリ`=‐ヾ'、 、゙ヾ、ニノヽ ヾヽ、. ,r''" i.リ/リ ',゙ ゙ヽ .,! ; iヾ ',ヽ、 ``ー- / ', -、 i// l l゙、 、 .. .. ' l i!ヾl l lヽi ', `ヽ ∧ ', i i i i リ ヽ. ‐-- 、 / /リ / !/./ ' ' ゙ヽ ,' ヽ ', i 〈 ,i i .、 \\ .. ' / ! , ', ' .i 、 ヽ i 'ヽゞミヽ、ゞ `ニ ´ '' _,. -// i. ヽ、ヽヽ i ',ヽ、`ヽミヽ、 ,. -'´,. '´/ ノ /. iヽ \i .i!ヽ ` 、`'-、、、、、- ',ン'' /〃 i ヽ.\ ! ` ー-ー '´ , ' //. i ヽ、ヾ , ' / ' ',、 ゙゙'i\ヽ , ir' ヽ= iヽ i! ヽ ヽ , '/i! /┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫【名前】L【霊格】20【属性】中立/中庸【令呪】―――(0)【MP回復量】40【魔術回路・質】■■□□□:D(20)【魔術回路・量】■■□□□:D(20)【魔術回路・編成】正常【属性/起源】二重属性(水/風)/観察(未覚醒)【筋力】□□□□□:-【耐久】□□□□□:-【敏捷】□□□□□:-【魔力】■■□□□:D(20)【幸運】■■■■■:A(50)【宝具】□□□□□:-【戦闘データ】【HP】20/20【MP】60/60【A攻】0 【B攻】0 【C攻】0【防御】0 【魔攻】4 【魔防】0┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫【スキル】○管理者の眼: - あなたはこの街の管理者として地元の魔術師たちを指揮し、 街全体に独自の監視網を広げ、時に彼らに指示する事で準備を整えていく事ができる。 それは他の参加者にはない利点としてあなたに益をもたらすだろう。 [DATA] 『種別:特殊 / タイミング:常時 / 代償:-』 聖杯戦争開始時、全ての街に1体ずつ「魔術師(モブ)」を配置する。(合計9体) この「魔術師(モブ)」は行動ターンで「指示を送る」事により配置を変更させたり、 他陣営との交渉や「儀礼呪法」の準備等を行う事が可能。 ただし敵陣営の「陣地」内部の情報は収集できず、 この「魔術師(モブ)」が存在する場所で「魂食い」が成功した場合、彼らは破壊され再使用はできない。○分割思考: A+ 思考中枢を仮想的に複数個に分け、複数の思考を同時に行う術。 これに「高速思考」を併用する事により一昔前のスパコン並の演算処理を可能としている。 アトラス院に所属していない魔術師としては破格の思考力を有しており、 戦闘時では疑似的な未来視として機能する。 [DATA] 『種別:魔術 / タイミング:効果参照 / 代償:なし』 Aランク以下の隠蔽系スキル、看破系スキルの効果を無効化する。 さらに行動ターン、その場を移動せず通常の行動を2回行える。 この時「管理者の眼」で得た「使い魔」に「指示を送る」場合、 1度に「5体」まで同時に指示を行える。(2回行動で10体) また1戦闘ターンに1回、コマンド選択時に使用を宣言する事で 選択したコマンドで「敗北」した場合、「引き分け」に変更できる。○組織力『護国』: - あなたは日本の護国を担う組織に所属しているエージェントである。 組織に要請する事により自身が作製できないような高位な礼装や 特殊な人員を配置する事ができる。 [DATA] 『種別:特殊 / タイミング:行動ターン / 代償:なし』 1日の終了時、下記の礼装、または人員を入手できる。 ・HPを100点回復し、戦闘不能を癒す蘇生の秘薬 ・MPを50点回復する魔力の秘宝 ・Cランク相当の「任意のスキル」を得る礼装(使い捨て) ・任意の素材×2 ・自動で指定した場の情報収集を行う「使い魔or魔術師」×2 ・特級護符(1つ得るのに2回、申請する必要あり) ・疑似令呪(1つ得るのに4回、申請する必要あり) ・毒蛇百芸(1つ得るのに4回、申請する必要あり) ・その他諸々タイムファクター○時歪の因子: 第二、第五の使い手では無いが度重なる時間移動を行った結果、 極めて限定的に時間操作能力を得るに至った者。 時間流を操作して自らの都合が良いように因果関係を積み上げていき事象を改変できる。 その代償として彼の存在は世界から許容される事がなくなり、 存在を維持するだけで莫大なエネルギーが必要になってくる。 その為、仮面型の維持装置を着用しなければ、このスキルは使用できない。 [DATA] 『種別:異能(特殊) / タイミング:効果参照 / 代償:20MP、1MC』 1戦闘に1回、自陣の誰かがダメージを受けた際に使用を宣言できる。 そのダメージを「0」に変更する。 このスキルを使用した場合、Lのデータを破棄しヴィクトルの物に変更すること。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫【使い捨て礼装】○護符(特級) 「千日回峰行」を為し、生身の不動明王ともいわれる阿闍梨が作製した特性護符。 不動明王呪の真言により霊体に対して特効的な効果を発揮する。 Lはとある筋からこの礼装を作成(調達)できる。効果はAランクの「法術」相当。 [DATA] 『種別:礼装 / タイミング:効果参照 / 代償:使い捨て』 調達時にどちらか片方の効果を選択すること。 この礼装の効果は選択した効果となる。 ・『名称:結界符 / タイミング:戦闘開始時』 ×2 その戦闘の間、敵陣に存在する霊体や怪物、「悪」属性の存在のステータスに、 「-10」のペナルティ修正を与える。(Aランクのバッドステータス扱い) ・『名称:明王符 / タイミング:コマンド選択時時』 ×2 選択した手番で相手に与えるダメージを「10」点の魔力ダメージに変更する。 相手が霊体や怪物、「悪」属性の存在だった場合、その戦闘ターンの間、 対象の【攻撃】【防御】【魔攻】【魔防】を「-3」点する。(Aランクのバッドステータス扱い)○神縛りの縄 ×1 対神兵装。紐同士を組み合わせてた巨大な注連縄。 不浄な者の侵入を阻む境界であり、神域に神を封じる結界になる。 使用する事でCランク相当の「神殺し」スキルを付与する。(使い捨て) [DATA] 『種別:異能(礼装) / タイミング: 戦闘ターン開始時 / 代償:10MP(使い捨て)』 敵陣に「神性」スキルを持つ者が存在する場合、 その戦闘の間、対象の「神性」スキルを無効化し、敵陣のコマンドを2手開示する。 さらに対象の【攻撃】【防御】【魔攻】【魔防】に-「神性のランク(C:3/D:2…)」点する。(最大-3)○治癒符(特級) ×3 外傷を癒す魔術が込められた呪符。 現代の一流の魔術師が扱う治癒魔術と何ら遜色のない効果を発揮するが 内臓器官等の修復までは出来ない為、医療目的では使用に適さない。 [DATA] 『種別:礼装 / タイミング:コマンド選択時 / 代償:なし(使い捨て)』 この礼装の効果は「マスターの支援」のタイミングで使用できる。 対象1体のHPを35点、回復する。○魔術師(モブ)……補充要員。パートタイムメイガス。 下記のスキルを使用可能になる。(MAX9人)○儀礼呪法: B 土着の魔術師たち全員が協力して行う大規模儀式魔術。 他の参加者との魔術師としての格の差を、集団の利で埋める戦術。 事前に下準備を行い、戦場となる場所に一定以上の魔術師がいなければ効果が無いものの、 十全に準備を行った場合、英霊相手でもダメージを与えられる大魔術が使用可能。 [DATA] 『種別:魔術 / タイミング:効果参照 / 代償:効果参照』 ・「タイミング:行動ターン / 代償:なし」 行動ターンで使用した地点に対して「儀式カウンター」を1点付与する。(最大8点) このデータを知る者が情報収集を行った場合、その場所に儀式カウンターが載っているか判明する。 ・「タイミング:コマンド選択時 / 代償:なし」 戦闘時にMCが3点以上ある場合、1戦闘ターンに「戦場に存在する魔術師(モブ)÷2+1」回、使用できる。 選択した手番で相手に与えるダメージを「儀式カウンターの数+4」点の魔力ダメージに変更する。 この効果は「マスターの支援」時でも特別に使用回数が変更されない。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫【MEMO】 途中まで味方の黒幕。 最初から同盟しておけば最後のほうまで落ちなくて済むという、 メタ的には割と身も蓋もない理由で仲間になったラスボス。 地味に令呪を多量に保持していたり、どこからか山ほど礼装を持ちだしてきているが。 令呪は自分で作成したもので、礼装はキャスターが作製した奴を横流ししているだけだったりする。 礼装一覧は多すぎる為割愛。「魔術師」はその場に複数人配置する事により、 Bランク魔術スキルの「儀礼呪法」が発動するとか、そんな能力もあったが、 対魔力持ちばかりと当る&蛇王様を警戒するあまり、「ドルイド魔術」と共に出番を失った模様。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫【設定】 先代が娘を探して失踪した為、新たに日本の護国組織から竜崎の屋敷に赴いてきた魔術師。 魔術師の才能・腕前は良くて二流止まりだが分割思考とそれに伴う思考の回転は超一流。 政治力や交渉力が図抜けており、護国組織の一員でありながら、 魔術協会から日本有数の霊地であるこの土地のセカンドオーナーを任された辺り、その一端が伺える。 知らない間に自らが管理する土地で聖杯戦争が開催された事に対して思うことがあるらしく、 傷付けられた自尊心の代償を主催者に支払わせるために、聖杯戦争に参加した。 ―――という設定。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫【聖杯の願い:特になし】土地の管理者として聖杯戦争を穏便に終わらせたい。ランサーの能力で災厄を振りまく事が判っているので、 聖杯を破壊することが望み。(もちろん嘘である)┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ヴィクトル時のステータス 戻る
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688 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:忘れ物探し] 投稿日: 2007/03/13(火) 04 47 19 ……そうだな、せっかく出掛けるのだから、何か不足している物があれば買ってきた方が効率的か。 「桜、朝食用意の時とか、何か足りない物とかなかったかな?」 「はい? ええと……あ、小瓶に移したときにお醤油の大瓶が終わっちゃいましたね、あとは……何かあったかな……」 うーんと、口元に指を当てて考え込む。 「何か思い出したら言ってくれ、ちょっと裏口に行ってくるから」 灯油やら石油の備蓄は結構忘れやすく、尽きた際には非常に困ることになる。 ついでなのでその辺りも色々と調べておこう。 ドラム缶から5個のポリタンクに灯油を移す。 うむ、切れかけているのに気付いて良かった。 軽く汗を拭う。 こういう事は面倒だがやっておかねばならないからな。 幾ら面倒だからと言って、自動供給式のホームタンクなんて贅沢品は導入できないし。 おっと、念のためボイラーの残量も確認しておかなければ……大丈夫か。 ……ジャガイモが切れていたのは計算外だったなー。 あと5個しか残ってないんじゃ料理のメインには使えないから買っておかないとならない。 タマネギは十分に残っていたし、芽も出ていなかったから全然問題はなかったけど。 「……何してんだ? 衛宮」 呆れ声に振り返ると、箒を手にした蒔寺が立っていた。 「ポリタンクの灯油が切れてたから補給してたんだよ、足りない物があったら帰りに買ってこようかと思って……それよりもどうしたんだ?」 こんな裏口に人が来る用事などはないはずなのだが。 「んー、由紀っちの看病でそんなに一杯居ても仕方ないしな、礼も兼ねて庭掃除でもしてやろうと思ったんだよ」 「へー」 「それはそれとして、さっさとあの少女を連れて行ったれ、こんなのあたしがやっといてやっから」 手でしっしとアクションしながら満タンに入れられたポリタンクを片手で持ち上げようとして……両手で持ち直す。 「……結構重いんだなコレ」 「確かに重いよな、でも使うから運ぶしかないしなー」 「そう言いつつ衛宮は片手で持ってるじゃねーか」 むっとしながら言う。 「ま、こういうことは慣れてるから」 裏口近くのポリタンク置き場に2つのポリタンクを置く。 「それ置いたらさっさと行ってやれー、どうせ足りない物の確認は終わったんだろ?」 「終わったけどさ、でもそう言うことをさせるのはどうにも」 貧乏性のような物かも知れないが、どうにも人に働いて貰うというのは性に合わない。 「昨日も言ったろー、人に頼れーって」 言われたのは覚えている。 だがすぐには実践できそうもない。 「やってくれって言われたらやってやれ、でもやってやるって言ってるんだから頼りなって」 置いたポリタンクの隣に蒔寺の持ってきたポリタンクが置かれる。 たっぷりと入っているので中でたぷたぷという音が聞こえている。 「……分かった」 好意を無にするってのも悪いしな。 「あと手は洗えよ? 灯油は結構しつこいぞ、臭いとか」 そんな言葉と、笑顔に見送られた。 「あ、先輩、何かありました?」 居間にはノインも戻ってきていた。 「うん、ジャガイモが終わってた、桜の方は何かあったか?」 「いえ、特に思いつきませんでした」 「そっか、それじゃあ、行こう」 その言葉に二人が頷き歩き出す。 それを見ながら玄関に向かおうとすると、袖を引かれているのに気付いて振り返る。 見れば、イリヤとノインがそれぞれ期待に満ちた目で見つめている。 パラグライダー:「それじゃ行こう」軽く頭を撫でて歩き出す クロスカントリー:「二人とも、行こうか」手を取って歩き出す エアボーン:二人を片腕でそれぞれ抱きかかえて玄関に向かう 投票結果 パラグライダー 2 クロスカントリー 3 エアボーン 5 決定
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276 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・夕:一成来訪] 投稿日: 2007/04/09(月) 04 36 43 取り留めのない話をしながら角を曲がる。 「あら、ミスター、今お帰りですか?」 「あ、お帰り、ルヴィア」 ルヴィアとジェネラルとばったり出会った。 「ええっと、今日はどうだった?」 「ええ、意外と面白い物でしたわ」 ふわりと、髪をかき上げて微笑む姿はどこまでも優美だ。 「衛宮、この美人さんは?」 耳元で一成が囁くように聞いてくる。 「えーっと、遠坂の倫敦での友人でライバル、ルヴィアゼリッタさんだ……今は内に逗留して貰っている」 一成にルヴィアを紹介する。 言葉の最後の方で一瞬戸惑ったようだが、まあ衛宮ならば間違いを起こすまいと顔で語っている。 「で、こっちは俺の友達の柳洞一成。 こっちも遠坂のライバル、かな?」 「柳洞……というとあの円蔵山、柳洞寺の関係者ですの?」 彼女は無謀ではない、事前に冬木市の霊脈の位置や現地での呼称程度は把握している。 「ああ、詳しくは本人に」 続けてルヴィアに一成を、さらにルヴィアの伯父としてジェネラル……カール氏を紹介する。 「はじめまして、フィンランドから参りました、ルヴィアゼリッタと申します」 「はじめまして、柳洞一成です、貴方のお察しの通り私は権僧正の息子です」 ルヴィアは優雅に、一成は謹厳な姿勢で簡単に自己紹介する。 とはいえ遠坂のライバル、と聞いて情報収集する気満々らしく、互いの目に好奇心が見え隠れしている。 遠坂という共通のライバルを持つ者同士、なにか感じ入る所があったのか、それとも互いを見ただけで意気投合したのか、話を始めている。 「あー……二人とも、こんな場所で立ち話ってのもどうかと思うし、すぐそこだ、話は家でしよう」 「うむ、そうしよう」 「ええ、そうですわね」 家へと歩きながらも話は止まらない。 なんというか、合わせてはいけない人物だったかもしれない。 ノインは鯛焼きに夢中でこちらを気にする様子はない。 続けて一成をちらりと見て、意識がこちらに向いていないことを確認し、小声で確認を取る事にする。 「……実際の首尾はどうでしたか?」 「ビンゴ、とでも言うべきかな」 弁えているのか、ジェネラルも小声で応じる。 「というと?」 「武器の類は回収した、拳銃、ライフル、手榴弾に火炎瓶等々……流石に重砲の類は無かったがな、暴動の準備だとすれば大した物さ」 個人レベルで準備されていた武装なのだから十分に過ぎるといえるだろう。 「それじゃあ……敵の方は?」 「主の話では使い魔を3種、確認し、駅まで歩いてから迎撃しつつ目眩ましを掛けたらしいな、魔術については詳しく知らないがね」 3種、ということは普通に考えて敵が3組存在する、と言うことだ。 そうだとして、宅地領内での不可侵条約か、同盟かによって状況はかなり変わってくるだろうが、どちらにせよ放置は出来ないだろう。 「なるほど……ありがとうございます」 「気にしなくて良い、同盟を組んだ者として今は……な」 言葉と表情に僅かに苦みが入る。 その苦みの正体は分かる。 以前ライダーから借りた本の中に『雪中の奇跡』や『流血の夏』について触れた書物もあったからだ。 彼は敗戦間近に大統領に就任し、国のために同盟国を攻撃したのだ。 「そう……ですね」 話はそこまで、門を潜る。 分かっていなければ捉えられないような視界の隅、老人の姿が見えた。 「……む?」 玄関で靴を脱いでいると、一成の動きが止まった。 「どうした、一成?」 「今日は客人か? 随分と靴が多いが……随分と荷物もあるようだし、迷惑ではないのか?」 「ああ……気にすることはないぞ、何しろ―― ファミリー劇場:みんな家族だからな 全国気にしない協会:大体みんなそう言うことを気にする人達じゃないからな ある日突然、12人の妹ができたら:血の繋がってない妹達だからな 投票結果 ファミリー劇場:0 全国気にしない協会:1 ある日突然、12人の妹ができたら:5 決定
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もう聖杯しか見えてない ◆zzpohGTsas まったく、全てが不愉快であると言わざるを得ない。 彼女の周りを取り巻く全ての環境は、今の彼女にとって真実のものではなかった。 彼女が今住んでいる某都市の1K安アパートも、某都を所在地とする公立大学に入学した一年生と言う社会的肩書も、 マンツーマン形式で小~中学生の子供に勉強を教える、市内の学習塾にアルバイトとして働いていると身分も。 全てが全て、演じろと言われるがままに演じている、紛い物の境遇だった。 自分の今の生活が、本来のそれでない事に気付いたのは、一昨日の事。 いつものように学習塾に足を運び、受け持っている子供に勉強を教えている時に、急激な違和感を覚えたのである。 違和感の正体を探りながら行った勉強指導は散漫その物で、珍しく塾長に注意されてしまった。その時は素直に謝罪したが、それでも違和感が消えない。 喉に小骨が引っかかるが如きこの違和感は、一体全体何だと言うのだ。 そう考えるうちに、根源的な問題提起――何故自分は此処で勉強を教えているのか、と考えた瞬間、全てを思い出した。 アパートに戻る際の、人通りの少ない小道での出来事であった。 彼女は聖杯戦争の参加者だった。 聖杯、西欧の地に端を発する一大宗教の開祖が、死の間際にワインを飲むのに使用した杯であるとも、はたまた磔刑にされた開祖から滴り落ちた血液を受け止めた杯であるとも言われているものだ。 聖杯戦争とはそんな聖遺物を求めて不特定多数の参加者達が争い、殺し合い、最後まで生き残った参加者には、その暁として聖杯を手に入れる事が出来る。 この世界に於いて聖杯とは、あらゆる願いを叶える万能の願望器。成程、確かに求めるに値する代物なのかも知れない。 だが悪趣味である。願いを叶えると言う奇跡をダシに、人間同士を殺させ合うなど、海の彼方の一神教の神は血生臭い儀式が好みのようだ。 ――無論、本気で神がこのような事を願っているとは彼女は考えもしていなかった。これは神の意思ではない。 神以外の何かの思惑を、感じざるを得なかった。でなければ、此処まで複雑に悪意の絡まり合った計画を、考え付く訳がない。 聖杯戦争はサーヴァントと呼ばれる存在と勝ち抜く戦いである。 サーヴァント、奴隷を意味する単語であるか、この催しの中では、意味合いが全く異なってくる。 奴隷としての側面は確かにあるが、それは彼女の左手に刻まれた、サーヴァントに対する絶対命令権である『令呪』がある限りの話だ。 令呪とは即ちサーヴァントに対する手綱。その手綱を失った場合、気性の荒いサーヴァントであれば容赦なく、操り手に牙を向く。 つまりサーヴァントとは、どちらかと言えば仲間、と言う意味合いが強い言葉なのである。 ではそのサーヴァントとはどう言った存在なのか、と言えば、諸人の信仰や想念の結晶、人間が憧れ、理想の存在として来た偉人や英雄、 幻想や御伽噺の中での存在が具現化したもの。つまり、英霊と呼ばれる類の存在が殆どであるらしい。 例え英霊でなくとも、歴史に名を刻んだ存在や、並ならぬ存在感を持っていた存在なら、英雄と全く真逆の存在であろうとも、この聖杯戦争に呼ばれうる。 そう言うものらしい。狐狸妖怪の類も、呼ばれる事があるのだろうか。彼女はそんな事を考えていた。 ――では、自分の呼び出したサーヴァントは、『何だ』? 諸人の信仰や想念の結晶? 撞着やら畏怖やらを一挙に集めた、偉人か、英雄か、猛将か? 万の軍勢を蹴散らし、竜を斃し、魔王を滅ぼした、御伽噺の中での存在か? いやはたまた、世界を恐怖のどん底に落とせしめた魔王なのか? 断じて違うだろうと、彼女は考えていた。 何故ならばその存在は―――――――――――― 「カンノミホ……(判読不能)」 ――――――――――クッソ汚い、ブサイクな男性であったからである。 目線の前で佇むこの男は、何なのだろうか。しかもくさい。 男性としては平均的な身長、一般人でもそこそこ鍛えれば到達可能な範囲の筋肉量と体格、少し日焼けした浅黒い肌。 身体中の至る所にポツポツと出来たホクロに、シミ。自分の身体に自信があるのかは知らないが、 何故この男はボクサー型のパンツだけを着用し、それ以外の何も身につけてないのか。 極め付けが、その顔。贔屓目に見れば、愛想の良さそうな。贔屓をなくして見れば、何処となく小憎たらしく、人をイラつかせるような顔立ち。 不細工かどうかと言われれば、そうでもないのかもしれないが、意識が、脳髄が。 強制的に「この男は不細工である」と認識させてしまう様な雰囲気を醸し出していた。くささの原因は、その雰囲気のせいか? ――……これは英霊なのか?―― 彼女でなくても、そう思うに相違ないだろう。 目の前のサーヴァントからは、優れた戦士が放つ気魄や凄味も、英雄偉人と呼ばれる存在が放つような神韻も、御伽噺の中の住人が醸し出す神秘さも感じられない。 市井を漁れば掃いて捨てる程見つかりそうな一般的な空気しか、この男からは感じられない。外れクジ、そんな単語が頭をよぎる。 このような男と、こんな馬鹿げた戦争を潜り抜けねばならないなど、頭が痛くなる。おまけにこの男、くさい。 夢なら覚めろと何度思った事か。しかし、全てが現実だった。 座布団に座った時の感触も、喉にぶつかるチューハイの感覚も、適度に身体を廻るアルコールも。嘘ではない。全て真実のそれだった。 だから、彼女、上白沢慧音は思わざるを得ないのだ。『全く、すべてが不愉快だ』……と。 「KIN、夜中腹減んないすか?」 「減らない。先程食べたのを見ただろう。と言うより、お前はサーヴァントだから食事は不要の筈だろう」 「クゥ~ン……」 子犬のような鳴き声を上げて拗ねはじめる彼女のサーヴァント。 茶目っ気のつもりなのだろうか。生憎と、全く可愛らしくもないし、憎たらしさだけが増長されてしまうだけだ。 可愛げのつもりが今の発言ならば、今すぐにでも令呪を使って自害させてやりたい気分である。 意外な事にこのサーヴァント、性能自体はどうしようもない程低い、と言う訳ではない。 幸運が致命的に低く、魔力が平均以下である事を除けば、宝具も強く、白兵戦もそれなりにこなせるサーヴァントだ。 だが問題は、彼のクラスがアヴェンジャー、つまり聖杯戦争の定石から外れたクラスであり、定まった使用法の確立してないクラスであると言う事だった。 おまけに宝具が強いとは言ったが、同時にクセとアクも強い為に、その運用には並ならぬ工夫が必要になる。 聖杯戦争は当然の事、殺し合いの経験すら満足にない慧音では、不安要素しかない。 「固くなってんぜ?」 と、得意げに口にするアヴェンジャー。言葉は軽いが、口調は少しだけマスターを気遣っている。 緊張している事を指摘しているのだろう。微かだが、チューハイを持つ手が震えているのに今更気付いた。 例え目の前のサーヴァント/相棒がアヴェンジャーではなく、最優のクラスであるセイバーだったとしても、身震いしていたかも知れない。 命の奪い合い、しかも生き残れるのはただ一人だけなのだ。そうなってしまうのも、無理もない事だった。 「なあ、アヴェンジャー」 「はい」 「そろそろお前の真名を――」 「ないです(食い気味)」 これである。 このサーヴァントは基本的には、命令に忠実なタイプである。 霊体化しろと言えば普通にしてくれる上に、大人しくしていろと言えば普通に黙っていてくれる。 彼と出会って二日程が経過したが、目立った命令無視の覚えはない。霊体化していてもくさいと言う点は残るが、従順な点は高評価だ。 だがそんな彼でも、一つだけ譲れないラインと言うものがあった。真名、つまり本名である。こればかりは、出会ってから今日に至るまで、全く教えてくれないのだ。 真名解放を必要とする宝具を持たない事がせめてもの救いだが、知っていれば何かしらの作戦も立てられる為、聞いておく事は無駄ではない。 こう言ったメリットを懇切丁寧に教えても、この男は譲歩しなかった。慧音がどれだけ説得しても、教えてくれない。 名前の為だけに令呪を消費するのも馬鹿らしい。結局今も、アヴェンジャーには真名の黙秘を貫かれているのであった。 ――変な所で、扱い難いし意固地だな……―― ふぅ、と一息吐いた後で、残りのチューハイを一気に飲み干す慧音。 今後どう振る舞おうか考えていた彼女だったが、ふと、ある事に気づいた。アヴェンジャーを呼び出してから2日あまり。 考えてみれば、この事を聞いていなかった。 「アヴェンジャー」 慧音が訊ねる。その事柄を知るべく、彼女は言葉を続けた。 「お前に願いはないのか。聖杯にかける、願いだぞ」 これを訊ねるのを、間抜けな話だが、すっかり失念していた。 万能の願望器である聖杯を廻って戦う場に、サーヴァントとして呼び出されたのだ。何かしらの願いを抱いている、とみるのが自然な向きだろう。 慧音にはこれと言って叶えるべき願いは抱いていないが、目の前の、如何にも俗物的な風貌をした男の事だ。何かしら叶えたい欲の一つ二つはあるだろう。 尤も、自らの名前や来歴すら明かさないアヴェンジャーの事。そう簡単に口にしてくれるとは、慧音は思っていない。 アヴェンジャーが見せるだろう反応から、願いの有無だけでも、知っておきたいのである。 「……ありますあります」 なんとアヴェンジャーは願いを肯定した。 どうせ黙秘を貫かれるだろうと思っていた慧音は、思わず面食らってしまった。 「どんな願いを、お前は抱いているのだ」 流石に此処まで踏み込んだ質問には、答えて来ないだろう。解っていて、重ねて問い質してみたのだ。 そして―― 「――先ずうちさぁ……殺したい奴、いるんだけど……」 この男が抱く闇の一端を、垣間見た。慧音の瞳が、驚きに剥かれる。 今更ながら、漸く理解してしまった。この男のクラスが、『アヴェンジャー』であった、と言う事に。 言葉を発する時のアヴェンジャーの顔は、まさに『復讐者』の名に恥じぬ、怒りと憎悪に満ちたそれであった……。 ――きたない―― 汚くない。 ――くさそう―― ちゃんと風呂には毎日入ってる。 ――ブサイク―― 自分ではそうは思ってない。 ――枕がデカすぎる―― 何でそんな事で批判されなくちゃならないんだ。 ――顔と声があってない―― 俺でも気にしてる事を言うんじゃない。 ――喘ぎ声が不愉快―― 男が掘られてあげる声なんて大体そんなもんだろ!! ――睡眠薬を混入させる手口が狡猾―― あれは監督の台本に書かれてた通りの事だから俺に罪はないだろ。 ――アドリブがうざい―― 少しでもリアリティを出そうと思っただけだ。 ―― 鈴 木 福 ―― 誰だよ。 ――脱糞する姿が最高に汚い―― そんなもん誰だってそうだろ……。 ――がんばれ がんばれ―― 何を応援してるんですかね……? ――24歳の学生の身分でホモビに出るな―― ……ごめんなさい。 数え切れない程の誹謗中傷、誹りの言葉に悪罵の言葉を浴びせかけられ続けた。 自分が生前、大した事をしていなかった事も、歴史に残るような大悪事を犯した記憶も、アヴェンジャーには全くない。 ただ、ホモビデオに出演しただけ。それだけでこの男は、日本国におけるA級戦犯や、ヒトラーにも匹敵、或いは、 彼らが裸足で逃げ出す様な謂れのない中傷を浴びせられ続けた。 その様子を面白がるように、身に覚えのない馬鹿げた逸話や、ゴシップ、英雄譚や冒険譚を付け加えさせれた結果、 彼はサーヴァントとして呼ばれるうる存在にまで昇華されてしまった。この様な経緯で高次の存在となった人類は、歴史上彼をこの男をおいて他にいるまい。 何故自分だったんだ、と考える事は幾度もあった。頼むから止めてくれと思う事など、その何倍だったか。 彼は無力であった。彼のゴシップは際限なく広がり続け、日本国内だけでなく、中国にまで波及するに至った。 自分のスキャンダルがアジア中に広がってしまう可能性も、いよいよ笑い話で済まされなくなってきている。 淫夢も終わりだなと言われ続けて久しいが、未だに滅ばず存続しているその様は、見ていて絶望する。 先行きに全く明るい展望がないのである。頼むから、自分を放っておいてほしい。そして、大人しく眠らせていて欲しい。 ――だから………… 「(やっぱ勝ち取るしかないんすねぇ……)」 本当の魂の安息の為に、アヴェンジャーは、マスターである上白沢慧音と共に戦うのである。 自分の安息を面白半分で邪魔をし続ける存在を、この世からなかった事にすると言う願いの為に。 自分がポルノビデオに出演していたと言う事実や痕跡を、完全に抹消する為に。 アヴェンジャーを動かす感情は、極めて純粋な殺意と、安息を求める切実さなのだった。 【クラス】 アヴェンジャー 【真名】 無銘(24歳の学生)@真夏の夜の淫夢 (真名解放は役名で足りる) 【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力D 幸運E- 宝具EX 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 復讐者:C 己の復讐に縁があるものと対峙した際、筋力・耐久のパラメーターがワンランクアップする。 アヴェンジャーの場合は、『自分がホモビデオに出演していた』と言う事実を知っている者と対峙した際に、このスキルが発動する。 【保有スキル】 無覚の功罪:EX ――ホモビに出ただけで世界を救う男/惨めに殺される男。 たった一度の迂闊な行いで、全く身に覚えのない冒険譚や英雄譚、喜劇に悲劇に転落劇、武勲や逸話などと言ったエピソードが付け足されて行った事に由来する。 元々アヴェンジャーは本当に何の変哲もないただの人間だったが、後世の人間が彼のキャラクターを次々と付加させて行った結果、 整合性もなければまとまりもない何者かへと変貌してしまった。ランク相当の無辜の怪物及びその反対のスキルを保有する複雑なスキル。 真名秘匿:EX 真名及び過去に何をしていたかと言う事の露呈を防ぐスキル。ランクEXはあらゆる宝具やスキルは当然の事、魔法を用いたとしてもその素性が割れる事はない。 何万人にも届こうかと言う人間にその醜態やスキャンダルを目の当たりにされ、拡散され続けたにもかかわらず、本名は当然の事、 目撃談すら見つからなかったと言うエピソードに由来する。 アヴェンジャーにとっては最後の心の拠所となっているスキルであり、彼は自らの素性が明かされる事を何よりも恐れている。 淫夢の住人:A+ 現在進行形でネットの文化のみならず、現実世界の文化をも侵食し続ける現代のガン細胞、真夏の夜の淫夢に登場する人物かどうか。 ランクA+はそのジャンルの中で特に著名かつ有名な人物であり、事情を知らない一般人にまで、使用していた語録が知れ渡っているレベル。 Bランク相当の戦闘続行と仕切り直しを内包したスキル。元々カートゥーンテイストの強い創作体系の為、防御向けのスキルが揃う。 天性の肉体(大嘘):B- ステロイドで獲得した偽りのボディ。筋力、耐久、敏捷をワンランクアップさせるが、戦闘開始から数分程度で元のランクに低下する。 そもそもアヴェンジャーの肉体は常人が鍛えれば達成可能であるのだが、後世の人間が『これはステロイドで得た身体である』と根拠もないのに断定。 結果、獲得したスキルである。ちなみにアヴェンジャーの自己申告によれば、彼は水泳とトレーニングを行っていたそうである。 魔力放出(睡眠薬):C 魔力を消費して両手から睡眠薬をサーッ!!(迫真)と散布する。 アヴェンジャーの散布する睡眠薬は医薬品とは思えない程効き目が早く、耐性のない存在は良くて数分、最悪一分弱で相手は昏睡する。 当然アヴェンジャーの元となった人間にそんな奇天烈な能力はなかったのだが、これも彼がホモビデオに出演した際、 小道具の睡眠薬を用いた演技があまりにも面白かったから付与されたスキルである。 ちなみにアヴェンジャーの散布する睡眠薬は通称ホモコロリと言う。 【宝具】 『演じて見せた四ツの道筋(迫真の演技)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~5 アヴェンジャーが過去にホモビデオ内で演じて来た四人のキャラクターをそのまま再現(演じる)する能力。 演じられるキャラクターは、水泳部の田所、空手部の鈴木、全身に銀粉を塗りたくりゴーグルを被ったサイボーグ風のサイクロップス先輩、 そしてアヴェンジャーを象徴する二十四歳の学生である。 水泳部の田所の場合は魔力放出(睡眠薬)がAランク相当に跳ね上がり、空手部の鈴木の場合は天性の肉体のデメリットなしに、 筋力・耐久・敏捷のランクがワンランクアップ。更にCランク相当の心眼と勇猛を獲得。 サイクロップス先輩はレーザーによる遠距離攻撃が可能になり、Cランク相当の矢避けの加護を獲得する。 普段は二十四歳の学生の姿で活動しており、この状態が通常のアヴェンジャーの状態。 だがこの宝具の真価は、それぞれのキャラクターを演じている間にアヴェンジャーを殺したとしても、 殺せるのは『その時に演じていたキャラクター』だけであり、アヴェンジャー本体は殺せないと言う点。 そして、殺されたキャラクターは聖杯戦争中二度と演じる事が出来ない。つまり、アヴェンジャーを確実に葬るには都合『四回彼を殺さなくてはならない』のである。 『万華鏡の如くに変わる顔(怪人二十面相)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:アヴェンジャーの顔を認識出来る距離 最大補足:アヴェンジャーの顔を認識出来る人数 アヴェンジャーの持つもう一つの側面が宝具となったもの。 アヴェンジャーは同じ相手に二度三度顔を見られても、相手はそれをアヴェンジャーと認識出来なくなる宝具。 彼が前に戦ったサーヴァントであると認識するには、Cランク相当の直感或いは千里眼等の、見識に関わる宝具やスキルが必要。 彼はその時々、しかも同じビデオの中に於いてすら、『顔』が全く違う時があると言うエピソードに由来する。 その種類は数多く、某天才子役、金メダルを獲得した某水泳選手、某NONA REEVESのボーカル、某サッカー選手、某女性声優等々。 ある意味で彼が振り撒いて来た風評被害の象徴でもある。 『野獣の咆哮(世界で最も聞かれたイキ声)』 ランク:C+++ 種別:対軍宝具 レンジ:10~50 最大補足:100 世界で最も絶頂の様子を見られ続けた来たポルノ男優。そのエピソードが宝具となったもの。 一度聴いたら二度と忘れる事が出来ない独特の声で絶頂の雄叫びを上げる宝具で、耳にした者は凄まじい不快感を得、更に初回に限り1ターン行動が不可能となる。 また対魔力や精神的な防御手段を持たない者は15ターン程の間Eランク相当の精神汚染を得、行動に支障を来たす。 魔力を用いて声帯を強化、或いは令呪一区画消費する事で高い威力を誇る音響攻撃として転用する事が出来る。 そして、『演じて見せた四ツの道筋』でキャラクターを『水泳部の田所』にした上で、 真名解放、そして令呪一区画消費と言うプロセスを経る事で、指向性の衝撃波を伴い、 Aランク相当の対軍宝具に匹敵するダメージを与える音響兵器に活用する事が出来る。 『真理に至れ野獣の正体(新説野獣先輩シリーズ)』 ランク:E-~A+++++ 種別:対自宝具 レンジ:1 最大補足:1 これだけ名の知れ渡ったアヴェンジャーであるにも関わらず、全く足取りも素性も掴めない彼の神秘性が宝具となったもの。 今も生きているのでは、まだ学生をやっている、死亡した、タイムスリップしているなど実に様々な憶測が飛び交っているが、 『そう言った状況なら野獣先輩は何にでもなれるのでは?』と言う小学生並の理論が、この宝具の骨子となっている。 宝具の真相は、『何者でもないのなら何者にでもしても良い』と言う呪いそのもの。 宝具の発動の条件は、幾つかの仮説を立てる事。その仮説はどんなに稚拙でガバガバでも構わなく、最悪一つだけでも良い。 宝具を発動させるとアヴェンジャーは元の浅黒い肌をした男性の姿から、ありとあらゆるもの、つまり『森羅万象』何にでもその姿を変えさせる事が出来る。 惑星や恒星と言った天体レベルの物質から、インフルエンザやエイズのウィルス、大統領専用車両から銃器。 果ては、本来アヴェンジャーの世界に存在しなかった筈の二次創作のキャラクターまで。何にでもアヴェンジャーは姿を変える事が出来る。 立てた仮説の数やその矛盾のなさに比例して、消費する魔力や変身に掛かる時間が最適化され、極論を言えば仮説が多ければ多い程完璧な精度でこの宝具を発動出来る。 立証した説をそれぞれストックする事で、アヴェンジャーはノータイムで変身を実行可能とし、立て続けに説を入れ替えて攻撃させると言う方法も可能。 宝具の発動には一切の魔力を必要としないが、宝具を発動した状態を維持しようとすると魔力が消費する。 そして、元々のアヴェンジャーから余りにも遠い概念、遠い存在に変身、それを維持しようとした場合は魔力の消費量が倍加。 惑星規模のものに変身しようものなら、一瞬で魔力が枯渇する。更になんにでも変身出来るとは言ったが、 それはあくまでも『マスターが今まで見聞して来た』ものの範囲の中での話であり、既知の範囲外の森羅万象については、この宝具は発動しない。 【weapon】 迫真空手: アヴェンジャーの元居た世界で著名な空手の流派であった、極真カラテをもじった架空の流派。 その修行は恐ろしく厳しいが、鍛え上げる事で893秒の間に地球を114514回も泳いで周回出来るらしい。これもうわかんねぇな。 【人物背景】 彼に関する来歴は、一切謎に包まれている。 何処の生まれで何と言う本名なのかと言う事は当然の事、最終学歴は大学なのか高校なのか、何の仕事に就いているのか、家族構成は、いやそもそも生きているのか? ビデオの中に記録されている、24歳の学生と言うデータと、身長170cmの体重65キロと言う情報すらも、自己申告の為に確かめようがない。 ――様々な嘘や根も葉もない噂、悪意ある情報や憶測が飛び交う彼の情報の中で、真実があるとすれば、彼はホモビデオに出演したと言う事。 そして、ある一人の野球選手の犯したたった一度の過ちさえなければ、彼、引いては真夏の夜の淫夢のキャラクター達も馬鹿にされなかった、と言う事だけである。 【サーヴァントとしての願い】 自らがホモビデオに出ていたと言う事実を知って居る者、また、自らの境遇をネタにし続ける全存在の消滅 【基本戦術、方針、運用法】 近接戦闘もこなせるサーヴァントであるが、機を待ち、逃げに徹する事を主軸とする。 平時に兎に角、『真理に至れ野獣の正体』で過程を立てて行き、新説のストックを常備。 格上のサーヴァントと交戦し、危機に陥った場合でも、淫夢の住人スキルの影響で、しぶとく生き残る事も可能。 三騎士として運用するのも中途半端な為、必然的に、『待ち』の戦い方を主軸に据える必要があるサーヴァント。 【マスター】 上白沢慧音@東方Project 【マスターとしての願い】 元の世界に帰りたい。 【weapon】 【能力・技能】 歴史を食べる程度の能力: 幻想種である白澤とのハーフである慧音が平常時に行使する事が出来る能力。 相手の存在をなかった事にする能力、と言うよりは、ある存在が現在に至るまでの過程、つまり過去の存在を少しボカし、 実際の現実を見え難くする、と言うのが能力の真相である。 その為能力を使ってボカした現実は、ボカされただけで確かに世界に存在している。解除は慧音の任意、或いは彼女が倒された時である。 本来ならば彼女に備わった固有能力の為魔力の消費はないのだが、聖杯戦争に際しては、能力の行使の際には魔力の消費を必要とする。 白澤化: 先述の通り彼女は中国の幻想種である白澤と人間とのハーフであるが、平時は普通の人間である。 が、満月の夜の時に限り、彼女は正真正銘本物の白澤へと変貌、頭部から角も生える。 純粋な妖怪と化した彼女は人間時を遥かに超える妖力と身体能力を発揮。また、普段から行使出来る『歴史を食べる程度の能力』が進化。 『歴史を創る程度の能力』に変化する。この能力を実際に扱うシーンは今のところ存在しないが、 どちらにしても慧音が今いる舞台が聖杯戦争のそれである限り、相手の存在をなかった事にすると言う事は出来ない。 この能力で出来る事があるとすれば、Aランク相当の『真名看破』スキルを行使出来ると言う事。 但しアヴェンジャーの真名秘匿ランクは、慧音の看破スキルを大きく上回る為、彼の真名を割らせる事はやはり出来ない。 各種スペルカード: 彼女がもと居た幻想郷ではスペルカードルールと呼ばれる、弾幕を展開して戦う戦法が主流であった。 慧音もまたその戦い方に造詣が深く、弾幕の展開を得意とする。 【人物背景】 幻想郷の人里の寺子屋で、子供達に勉強を教えている女性。 教師として活動している傍ら、その能力を使って、歴史の編纂作業を行っている。得意とする科目はやはり歴史であると言う。 妖怪退治も時と場合によっては行っているらしく、里の人間からは頼れる才女として通っているが、その戦闘能力の高さは、 身体の半分が白澤のものであると言う事実に由来している事を知っている者は、数少ない。 月に1度の満月の際に、慧音は完全に白澤化する為、この時は人里を離れた場所で、平時は使う事の出来ない能力を利用し、 歴史の編纂作業にさらに力を入れているのだと言う。 【方針】 人殺しには乗り気じゃない。さしあたっては、様子見である。
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365 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:穏やかな来訪者] 投稿日: 2007/02/12(月) 04 08 50 そんな中来客を告げるベルが鳴らされた。 警報ではなく、来客を告げるだけの音だ。 「こんな朝早くから、誰だろ?」 多少疲れは残っているが、幸い目は覚めている。 顔も洗ったし、誰が来ても一応平気だろう。 「どうぞ」 その声と共に玄関の戸が開けられる。 「朝早くから済まないね」 昨日家を訪れた、ヴェルナーと呼ばれた男性だ。 「あの……いくら何でも早すぎませんか?」 この時間に起床するのは良くあるだろうが、人を迎えに来るにしては早すぎる時間だ。 「うむ、そうは思ったのだが、老人の朝は早い、と言うことで許していただきたい」 そう言って軽く微笑みかける。 そこに昨日のような怒気は感じられない。 「……不思議かね?」 疑問を察したように口にする。 「え、ええ、まあ……」 曖昧にしか答えられない。 何故怒ってないのか等と言えるはずがないのだから。 「簡単な事よな、イリヤスフィール嬢が信頼しているならば信頼できる、それに昨日の戦い振りも、甘いところはあるが中々の物であった」 うんうんと頷く。 ……気付きはしなかったがあの戦いを見ていたのか。 見ていたのならば助けて欲しかったとは思ったが、事情もあるのだろうと察し、それは表情にも出さなかった。 「まあ、早いというのならば庭で待たせて貰うが」 そう言って踵を返そうとする。 「ちょっと待ってください、イリヤはすぐに城に返さないと行けませんか?」 「ん? ああ……別に日が沈むまでならば構わんよ」 溜息混じりにそう言う、すぐにその意図を察知してくれたらしい。 「やれやれ……私は責務を果たそうとしているだけなのだが嬢へのその溺愛振り、これでは私が悪者のようだな」 腕を組んで含み笑いを漏らす。 「あ、それと待つなら家の中で……」 「いや、遠慮しておこう、若者が何人もいるようだし、そこに老人が居ては気を遣おうからな……気にせんでくれ」 玄関の靴を見渡して言った。 「そうですか……わかりました」 「うむ、それで良し」 そう言って戸が閉められる。 「シロウ……ありがと」 ふわりと背中にイリヤが乗ってきた。 突然のことに驚いたが、別に気にすることでもあるまい。 「気にすることはないぞ、それよりも、城に帰るのは夕方で良いって事だから、今日はみんなで遊びに行かないか?」 こっそりと耳打ちする。 「朝起きてからの思いつきだから、どこに行こうとかそう言うことはまるで考えていないけどな」 「……うんっ!」 それでも、イリヤは笑ってくれた。 そうこうしているうちに居間に全員が集まっていた。 さすがにこの人数になるとテーブルが小さすぎるのでどうしようかと思っていたら藤ねえが「土蔵にテーブルがあるはずよ」なんて言ってくれた。 ちなみに知らぬ間に藤ねえがどこからか手に入れてきた代物のようで、少し埃を被っていたが問題なく使うことが出来るようだ。 「しかしどこから持ってきたんだこういうの?」 大きさはそれほど大きくはないが、どこかから運んでくるのは一人だと辛そうな代物だが。 ……まあ、前に畳の半分くらいある鯛焼きの鉄板もあったしなぁ。 深く考えるのはやめよう、足を畳めるタイプのテーブルだし、きっと畳めば運べるんだろう、重いけど。 「よいしょっ、と……あ、そっち持って上がってください」 「うむ、心得た」 一緒に運んでくれたのはジェネラルだった。 ひょいと持ち上げて縁側からテーブルを入れる。 足を展開して、雑巾で拭いてから、濡れ布巾で軽く拭う。 「これで良し、っと……」 ふうと一息。 実に久々に土蔵の中身が役に立った例である。 さて、これでスペースの問題も解決したし―― ラヴォーチキン:朝食の用意を手伝えなかった事もあるし、配膳位は手伝うことにしよう ミヤシシェフ:居間でゆっくりしていよう 投票結果 ラヴォーチキン 5 決定 ミヤシシェフ 0
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249 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・夕:遭遇の一成] 投稿日: 2007/04/06(金) 04 45 22 帰り道、幸せそうに鯛焼きを食べている一成を見つけた。 何回か一緒に買い食いをしたことはあるがあれほど幸せそうに頬張る姿を見たことはない。 「おーい、一成」 両手で荷物を抱えているので声だけ掛ける。 「ん? おお、衛宮ではないか」 がさりと紙袋の口を折り曲げてこちらに歩いてくる。 「うむ、なにやら久々な気もするが……大変そうだな、衛宮」 後ろに居る女性陣を見咎めたのか、怪訝な表情を浮かべた後、眼鏡の位置を軽く直しながら袋を開け 「良かったら食べるかね? 一人では冷めてしまうと思っていたところだ」 優しげに微笑んで少女二人に鯛焼きを渡す一成であった。 二人とも戸惑っていたが、それぞれの表情で受け取る。 だがそれは一口食べて幸せそうな表情に変わる。 「良いのか? お山の生活は甘い物とかは原則禁止だろ?」 しかもこんなにころりと表情を変えるほどの代物ともなれば、ただの鯛焼きでも中身は相当な代物だろう。 「うむ、構わん、今日一日分の労働の報酬だ、ついでに言えば美味なのだが一人食うには多すぎる……良かったら衛宮達も食うかね?」 むしろ食ってくれると嬉しいと言わんばかりの視線には頷かざるを得ない。 実際に近づいてみてみれば、一成の持つ紙袋は手に持つ、というよりも小脇に抱えるようなサイズである。 ……あれが全部鯛焼きだとすると、軽くキロ単位である。 しかも二桁に届くかもしれない。 五人で食うにしても多すぎるとの判断までは一瞬。 少なくとも夕飯は食べられなくなるだろう。 ライダーが新鮮な魚を提供してくれる予定だというのにそれは問題がある。 「……一成、差し支えなければ家に来い、茶と人数が居ないとどうにも大変そうだ」 どれだけの人数がいるかは分からないが少なくとも誰もいないと言うことはないだろう。 「うむ、そうか……丁度良い、土産話と、少々問い質したいこともあるでな」 まあ、その視線から、何を問い質したいは大凡把握した。 目を輝かせて鯛焼きを頬張るノインとイリヤ。 そして再び頬張り、目を閉じて何度も咀嚼している。 実に美味しそうだ。 とはいえ、荷物もあるし、これから食べられるのだし、茶もあったほうが楽しめるだろうし、一緒に食べる人も多い方が良い。 「重そうだな衛宮、少し持とう」 「いや、別に大丈夫だ、一成の方は……」 見れば既に鯛焼きの袋はその手にない。 というかノインが持っていた。 「ノイン、あまり食べ過ぎると夕飯が食べられないからそんなに食べると良くは……」 「甘い物は別腹だから大丈夫ですわ、旦那様?」 思わず吹き出した。 そしてノインは悪巧みを成功させた時の遠坂のような笑みを浮かべた。 舌先を軽く出すその笑顔は、それはもう可愛い物があるが発言の内容が問題だった。 「なっ……なあっ! え、衛宮ッ! 流石にそれは友人として祝福できん! 再考を強く強く推奨するっ!」 がばーっと、掴み掛かるように一成が接近する。 というか、余りの勢いで激突した。 段ボールの箱から溢れそうになる芋を何とかバランスを取って支えて一息つく。 「一成、危ない、芋が溢れる」 「たわけっ、食品は当然大事だが婚礼は一生の問題だろうッ! 正妻はそこな間桐さんであろうに一体何をどうして血迷ったのだ衛宮ー!」 正妻、と言われて顔を赤らめる桜と、その姿を楽しそうに見つめるイリヤと名城。 「それはノインの冗談だ、冷静になれ一成」 「ええぃ、このような少女がそのような冗談をいうものか、例え今は亡き衛宮の父君の遺言でも推して破れぃ!」 割と冷静さを失っている一成を尻目に、ノインは楽しそうに新たな鯛焼きを取り出し頬張っていた。 カイファル:多少のゴタゴタはあったものの、どうにか衛宮邸に到着した バラカット:衛宮邸のすぐ近くで、ルヴィアとジェネラルに会った セラーズ:衛宮邸のすぐ近くで、後ろからシャリフさんがバイクで現れた 投票結果 カイファル:1 バラカット:5 決定 セラーズ:1
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382 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/08/18(土) 02 14 25 「膝枕、してくれるか?」 畳の床は寝転がるには微妙に固いのだ。 「え……は、はいっ」 一瞬だけ顔を赤らめてから、頷いた。 その表情で気付いたが、みんなの前で膝枕というのはこう、少しばかり恥ずかしい状況ではないだろうか。 する方にしてみれば足も疲れるだろうし。 それを気付かないほどだった、と言うことに気付いて今更ながら戦慄する。 「ついでですから、耳掃除とかしちゃいましょうか」 だが桜はノリノリで、さっと棚から耳かきを取り出すと正座をして『さあ来い』とばかりに腿をぽんぽんと軽く叩いている。 ……ま、いいか。 さっきのこともあるし、今更膝枕でどうこうと言うことは無い……よな? 自分で自分を納得させ、桜の腿にぽふりと頭を乗せる。 頭を包むように僅かに沈む腿の感触と、首筋に当たる膝の感触が非常に心地よかった。 「それじゃ、始めますね」 「ああ、頼む」 軽く目を閉じ、耳の内側の感触に意識を集中させる。 自分でするのとは違う感覚には少し戸惑うが、これはこれで良いなーって思えてくるまでに時間はそう掛からない。 自分で調整できない存在がこりこりと耳かきが耳の中を擦り上げていく感触は、少し怖いが、同時にゾクゾクとさせてくる。 不意に耳の中から何かがこそげ落ちたのが分かった。 「あ、おっきいの出てきましたよ? ……わ、凄い、こんなに」 薄目を開けると、耳かきの突起全体に耳垢の塊が乗っていた。 確かにでかい。 というかセンチ単位のアレは尋常じゃないような気がするが、実際どうなんだろうか? 「……ちょっと楽しくなってきちゃいました」 桜は広げておいた広告の上に耳垢を落とし、再び耳かきを耳の中に入れてくる。 角度的に桜の表情を覗き見ることは出来ないが、鼻歌交じりで実に楽しそうだ。 再びちらりと薄目を開ける。 ……見られてる。 何人か、ってところまでは分からないけど、テレビではなく明らかにこっち見ているのが居る。 どうにも気になったので視線を上から下へ、部屋全体を見渡すように動かす。 まず一人目、遠坂はテーブルに肘をついて溜息をついてこっちを見ている。 『まだ懲りないのか』とか考えている表情で、溜息は諦めた時のそれであろうというのは簡単に分かった。 考えればそんな表情が分かるくらいの付き合いになるからなあ。 二人目、氷室はいつからだったのか、フェイトを胸元に抱きつつ――フェイトはテレビの方を見ていたが――こっちを横目でじっと見ながら顔を赤らめている。 一瞬だけ視線を逸らしたが、逸らす瞬間が見えていた上に視線が戻ってくるのが見えてしまえば確実だ。 さっきのに比べれば見られて困る物ではないんだが、あの時の氷室の言葉と行動を思い出すと顔が赤くなってしまう。 三人目は、その氷室の傍らで腹這いになっているなのはだ。 その顔は思い切り笑顔で、テレビを見ようともせず体勢もこっちを向いている。 畳に肘をついて両手の平に頬を乗せ、足をぱたぱたと動かしているその様は、子供らしいと思うと同時にこっちまでウキウキさせられる。 先程の殺気とどうにも一致しないその差はなんだろうか。 ――知る由も無いことだが、彼女の両親が家族の前で互いの耳掃除をよく行うため、それは日常の光景であり、それ故の笑顔である。 四人目は、次は私の番だと言わんばかりに正座になっているルヴィアだ。 視線に気付くと、先程の桜と同じようにぽんぽんと腿に触れる。 いや、悪いけど耳掃除は一回やって貰えば十分だぞ? 「さ、それじゃ反対の耳もやっちゃいますから、反対側向いてください」 熱いのと寒いのと暖かい視線に見守られている、というのは居心地がいいのか悪いのか、判断は出来なかった。 惰眠:映画の途中であったが、不意に眠くなってきた 爆薬:映画の終わる頃、ライダーに声をかけられた 薬缶:映画が終わり、夜が来る
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879 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 四日目・夜:狂人との遭遇] 投稿日: 2007/01/06(土) 04 43 54 かくして舞台は市街地へ。 セイバーとランサーの、衛宮士郎と魔術師の対峙は虚空よりの笑い声によって遮られた。 咄嗟に全員が取った行動は同じ。 後方の遮蔽物へと飛び退き、視線を虚空へと移した。 虚空にあった者。 それは影のような殺人鬼だ。 身に纏うのはライダースーツとも鎧とも、拘束衣とも判断の付かぬ黒であり、対照的に露出された顔や手、髪に至るまでは異様なほどの白。 そして目は血走ったかのように眼球までもが赤く染まり、そしてその手には死体が握られ、口元も赤く染まっていた。 笑っているが、それで見つかることなど気にもしていないようで、視線を彼等に向けることはしなかった。 その視線は美しき月に見入るようにより高き空へと向けられていた。 そのおぞましさに震えた。 その死体には首が無く、四肢が右側二つが失せている。 食らったのか、もう片方の腕に滴る臓物は誰の物か。 「……なるほど、貴方の言い分を信じるべきでしょうね」 セイバーはあくまで冷静にあろうとしたのか、別の遮蔽物に隠れたランサーとそのマスターに声を掛けた。 「私にしても予想外だな、まさかあんな狂人とは思わなかった、とはいえ、信じてくれたのならば無益な争いはするべきでは無かろう?」 「……確かに、そうですね、少なくとも今夜はあの狂人に全力を集中させたい」 即ち、確実に今夜あの敵を倒すと決意していた。 それは衛宮士郎の決意と同じ物だ。 「ならば、我々は退かせて貰おう、今夜は偵察のみのつもりだったし、追いかけてこないでくれよ……くく」 そういうと、ランサーと共に遮蔽物から遮蔽物へ、隠れながら遠ざかっていくのが分かった。 「仕方ありません、いいですね? 士郎君」 殺されかけたことさえ頭から抜け落ち、全てをあの男に集中させる。 「ええ……それで構いませんよ、先生」 だからそう返答して己の内に没頭する。 どのような原理、魔術なのか、男は宙に浮いている。 だがあの程度の高度ならば投擲武器や弓でも十分に狙える。 ゲイボルグなどという高度で、しかも慣れぬ宝具の投影までした以上、魔術的にも回路的にも今夜一夜の投影をこれ以上行うのは危険かも知れない。 ならば、弓と矢ではなく、数度は投擲が可能な……投擲しても手元へ戻るアーチャーの武装が最適だ。 頭痛が襲うだろうが、意に介さない。 「これ以上、犠牲者は出させない……!」 投影のために、名も知らぬ被害者への追悼のために歯を食いしばる。 「冷静になりなさい、あれが召還された存在であるなら、主がいるはずです……士郎君はそちらを探してください、その間あの男は、私が引き受けます」 「探したら、どうするんです?」 「……あれを掣肘することなく存在させている以上、殺戮を承認していると言うことでしょう……ならば、答えは一つしかありません」 それも、頷かざるを得ないだろう。 「このビル街なら隠れる場所は幾らでもあります、気をつけてください」 「ええ、先生も」 セイバーは出来うる限り平静に視線を向け、飛びかかるタイミングを計っている。 恐らく気付かれれば衛宮士郎は虚空で吊されたあの人のように殺されるだろう。 そうならぬように、セイバー……先生が攻撃してくれるだろうが、相手の能力が未知数である以上危険すぎる。 ならば衛宮士郎は、気付かれぬようにマスターを探索し、可能ならば倒さねばならない。 設計図を頭の中に待機させる。 「自分に、倒せるか……?」 実力的にも、精神的にも。 「いや……殺せる、殺せる、はずだ……」 そう、自分は想い出さえもかつて殺したんだ、精神的な迷いなんて、ない。 だから、不安なのは実力的な物だけだ。 その思考そのものが迷いだとは気付かず。 様々な思考と逡巡を頭に入れたまま、行動を開始した。 アヴァランチ:魔術的な痕跡がないかどうか、構造解析で調べていく バグラチオン:ビルとビルの隙間を、見つからぬように隈無く探索する ツェルベルス:入り口の開いているビルがないかどうか探索する チャスタイズ:ビルの壁を蹴飛ばしながら、セイバーが敵へと襲いかかった バルバロッサ:一方、ランサーのマスターは別の敵と遭遇していた 投票結果 アヴァランチ:5 決定 バグラチオン:1 ツェルベルス:2 チャスタイズ:1 バルバロッサ:1